2011年10月17日 新潟日報

風土に根差した端正な構成

▼白鳥十三絵画展(18~30日、新潟市中央区万代島5のアートギャラリー万代島)

新潟市生まれ東京在住の白鳥さんは、早稲田大学在学中から画塾に通って洋画を学び、創作約40年を一貫して無所属で通し、東京銀座とふるさと新潟で個展を開き続けてきた。

今回は、奈良と新潟の薔薇シリーズ3部門展示で、100号の水面鳥瞰図1点をはじめ、「斑鳩の里」(法隆寺)=写真=や「飛鳥天空」(橘寺)など20号3点。新潟の坂口安吾の石碑がある松林「ふるさとは語ることなし」「異人池の教会」「万代橋」など10号は5点で他に小品。

だ円形額縁やルイ15世式彫刻の装飾額縁に入った、ロココ風のバラの絵も含め、計約20点とジクレー版画数点である。アクリル絵の具に岩絵の具を併用、新開発の溶剤で、問題のあったアクリルの絵肌が改善されたという。

風景画では、全般に日本の風土に根差した端正な構成と、堅実で達者なデザイン、細密な写実描写が画面を引き締め、空の鮮やかな青、暗緑色の杜と明るい草や林の緑、寺社など建造物の渋い暖色が、陰影と奥行きの鮮明な画面を創出し、何かしら郷愁を感じさせる。

一方、「夕映えの日本海」6号の、打ち寄せる波を染める夕日と雲の色が、さわやかな空の青と調和し、軽妙で優雅な雰囲気を醸しており、華麗で繊細、快い美感をもたらすバラのシリーズの絵とともに、現代に再現されたロココ風の絵画とでも言えるようだ。

その感性は、前に触れた額縁へのこだわりにも表れている。この後もう一方の、ゆったりした日本的な画境と、どちらが濃さを増すか、楽しみである。 (鈴木清一)

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